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初めて触れる、伝統の世界

by カナエナカ(shojiro.nkym)

日本の伝統工芸

伝統工芸というと、少し敷居が高いイメージ。
そして、「古くから続く技術でいいものを作っている」というぼんやりとした概念しかなく、実際どうやって作られているのか、何が評価されているのかなんて全く知らなかった。
ただただなんとなくの興味と憧れのある世界。

京都亀岡へ

こち亀の作者が、また「”亀”岡」を舞台に、「”カメ”ラ」の話を連載し始めているという噂の亀岡。漫画にも登場する亀岡駅。

細井 智之さん

京都、手描き友禅の伝統工芸師で、京都伝統工芸大学校で友禅の教鞭もとっていらっしゃるという方。
今は亀岡に住んで自宅に工房を構えているそうで、「友禅の工房!見に行ってみたいなぁ〜」というSNSでの私のつぶやきを拾ってくださり、お話をしているうち快く「よければ亀岡へどうぞ。」と受け入れてくださった懐の広い方でした。

初めて触れる、伝統の世界

早速お邪魔した工房には色とりどりの染料を溶かした小さなコップがトレーに所狭しと並べられている光景が。ここでひとつ、疑問が湧いてきます。
「あれ?ここでは反物を染めたりしないのかな?このスペース以外で作業をされるのかしら?」と。
初めてなんです、全然知らなくって!と無知丸出しで話し始めた私に丁寧に解説をしてくださいました。

「伝統工芸って、分業制なんです」

お話を伺っていて初めて知ったのが、伝統工芸は分業制であること、そして、私が想像できるよりもはるかに細分化されているということ。その一つ一つの工程に、専門の職人がいて、多くの人の手を経て一つの友禅が生まれるということでした。
そして、その京友禅の世界の中で、細井さんは「挿友禅」と言う、柄を手書きで色を挿して行く工程をご担当とのこと。

色を見ることが好きな私にとっては、この風景がとてもグッと来ました。
染料を調合した色、一つ一つのニュアンスを確かめるために、布へ色を試しているもの。色見本の代わりの布。
色見本の布のデザインをそのまま可愛いドット柄のカード入れに。ミラノサローネにも出品したものだそう。

多くの人の手を経る分業の世界

反物を染める職人さん、柄や模様のデザイン画を描く職人さん、それを反物に写す人、染めてしまわないよう白抜き部分を作るための糊を置いていく仕事の人、そして柄の色柄を一つ一つ描いていく人。
他にももっと色々な役割があるようです。
それにしても、まさか白抜き部分を作るための糊を置くことを専門にしている人がいるなんて思いもしなかった。
多くの人の手を経るということは、この一つの作品が完成するまでのどの工程の職人さんが欠けても成り立たないのだから、それぞれが今もなお継承されていて、工芸品として残ってきていること自体が凄いことだと思います。

友禅の柄のデザインは、柄のデザインの下絵を描く専業のお仕事があるそう。加賀友禅と比べると大きめな古典柄で華やか。

そして、一番驚いたのは、その技法に昔の人の発見や知恵がふんだんに使われているということ。
特に柄の線を反物に書き込むとき、昔は「ツユクサの汁」を使って描いていたそうです。
なぜツユクサなのか?と思ったら、ツユクサの花の青い汁は、洗うと消えるから、ということだそうで。
つまり、鉛筆の下書きを消しゴムで消せる、というような仕組みが、鉛筆と消しゴムがなかった時代に編み出されたマジックのような技なのです。
このツユクサの汁の特性に初めて気づいた人すごいなぁ、誰がそんなことに気づいたのでしょう?
私の頭の中で静かだけれどもビビビっと電流が走ったように興奮してしまった気づき、面白くてワクワクしてしまいました。

驚きの発明!とびっくりさせられたのは、この液体の原型。これは化学的なものだけど、昔は「ツユクサ」の花の汁を使って柄を布に写していたそう。
糊を置く仕事にも細かく工程がある!

さて、この反物が広げられて電熱ヒーターが下に置かれた風景、まず部屋に入った瞬間に目に飛び込んで来たものなのですが、柄に色を挿していく際、下の電熱ヒーターを当てることによって、繊維に染めの絵の具がしっかりと浸透するそうです。

反物のミントグリーンがモダンで素敵だな、と思いました。私の大好きな色。

そして、プリントの柄との見分け方は、裏地までしっかりと色が染まりきっているということ。
色を挿して表裏関係なく、しっかり染まり浸透した布をまた洗って染料を落とし、刺繍や金箔を施すなどして反物は出来上がっていくのだそうです。

上は完成品。下のくすんでマットな質感の方は、絵の具を挿した状態のもの。まだ洗っていないのでつるっとした質感のないのがわかるかなぁ?

本当はもっとしっかり準備して、取材もインタビューもすればよかったのですが、私の準備不足でこの程度しか書けず、本当に貴重な時間だったのにもったいないことをしたなぁと後悔していますが、本当に目から鱗、初めて知ることのオンパレードで、とてもとても学びの多い時間となりました。

それもこれも、見ず知らずの私を快く迎え入れてくださった細井さんのおかげ、本当にありがとうございました!
私は日本に生まれ育ち、日本のことは好きだし、色々と知りたい欲はあったけれど、まだまだ知らない世界だらけなんだなと痛感しました。
そして、知ると面白いんだよね〜 もっともっと知りたくなった亀岡でした。

この後は、亀岡を愛する素敵女子「アンちゃん」も参戦し、亀岡を案内してくれました。
面白い商店街があったり!その当時は珍しかった女性杜氏の素敵な酒蔵があったり。
亀岡巡りのレポートもまた書きたいと思います♪

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カナエナカ(shojiro.nkym)
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